奇跡の結晶、ライラック。

はじめまして。フローリストの柳本です。商品企画や仕入れの他に、市場に勤めていた経験を活かして、産地さんとの取り組みの開拓も担当しています。

新年度が始まり、出会いと変化の季節。みなさまいかがお過ごしでしょうか?緊張したり、少々気疲れしている方もいらっしゃるかもしれません。

そんなあなたは、ぜひ花の香りで癒されて!今回は春の人気者「ライラック」のお話。ライラックは「恋の花」と呼ばれ、ふんわりと甘い香りは心の疲れを癒してくれる効能があります。また、新陳代謝を高める働きがありダイエット効果もあるそう!?

みなさまにライラックの魅力をもっとお伝えしたい!そんな思いから、昨年ながの総合農協へ伺った時の産地レポートを綴りました✒️

いざ、ライラック畑へ...!

ながの総合農協のライラックが出回るのは4月上旬から5月上旬のわずか1ヶ月ほど。「旬が来た!」と思ったらあっという間に終わってしまう、刹那的な花です。

雨が降り、翌日に晴れると一気に花が咲くため、生産者さんたちは急いで採花作業を行います。

採花のベストタイミング

ライラックの「切り前(ベストな採花のタイミングのこと)」は上の写真のように、少し花が咲いた状態。花によって適した採花のタイミングは異なり、ライラックの場合はまだつぼみが黒っぽく固い時期(下の写真)に切ってしまうと咲きにくくなります。

みなさんのお手元に一番きれいな状態でお届けできるよう、生産者さんたちは採花のタイミングにとてもこだわっています。

高品質の秘密は「水揚げ」と「温度管理」

花を切ったら畑の中で速やかに前処理剤入りの水で水揚げをするのがポイント。水が下がりやすいと言われるライラックですが、ながの総合農協のライラックが高品質で水落ちしにくい大きな理由がこの水揚げ作業です。

水揚げをした後は箱詰めをするまで冷蔵庫で保管。中の温度は2℃🥶ライラックがぎっしり並ぶ光景は圧巻です。自然下では一気に開花が進む難しい花ですが、低音で保管することで開花を抑制し、出荷期間を少しでも延ばせるようにコントロールしています(それでも一週間以上置くと開花してしまうそう)。

こうした努力と工夫のおかげで、私たちは長くライラックを楽しむことができるのです。

中には白いライラックも。清楚でかわいらしいです。

ライラックの枝をよく見ると、節々に小さな芽があります。枝を切る時はこの芽を確認して、翌年に新しい芽が伸びてくることをイメージしながら芽の上にハサミを入れます。切って2週間後にはまた芽吹いてきます。

長野県がライラックの一大産地になるまで

ライラックは苗を植えてから採花ができるまでおよそ4年かかります。さらに、一度採花をしたら次の花が採れるまで2年。ライラックの生産の難しさは年月がかかるだけでなく...。

この土地でのライラック栽培の第一人者の方によると、最初にオランダから苗を仕入れて植えたところ、この土地に合わずほぼ枯れてしまったそう😢なんとか生き残った2、3本の株を挿し木で増やし、長野県の農業試験場の協力も仰ぎながら土壌に合った品種を改良し続けること40年。数々の試行錯誤の末にやっと努力が実り、今ではライラックの一大産地となりました。

ライラックは土地を選ぶ花。富山県の生産者さんが試しにこの苗を持ち帰って植えたところ全然育たなかったという話からも、ライラックは「土壌との親和性」がとても大切な、繊細な植物ということが分かります。北海道のライラックも北海道の根に合った品種なのだそう。こうした生産のハードルの高さゆえに、新規の産地はなかなか増えず、ライラックは希少なのです。

夏の猛暑や秋の台風で花芽が飛んだり、4月の遅霜に当たると花の頭に害が出てしまうなど、天候による試練もあります。そんなライラックがこうして立派に育ち、美しい花を咲かせ、みなさんのお手元に届くことはまさに努力と奇跡の結晶なのです。

FLOWERでは希少なライラックをたっぷり販売中!

旬が短い花なので、ぜひ今のうちにお迎えしてみてください。

ひとりでも多くの方に、甘く優しいライラックの香りが届きますように。

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